「自分にはどういう保険が合っているのか?」
そんな疑問を持ったときに大きな手がかりになるのが、職業、家族構成、将来的なライフプランといった生活状況です。保険は突然のリスクやアクシデントに備えるものですが、そのリスクやアクデントの内容は個々の生活状況によって大きく異なります。ですから保険を選ぶ際には、それぞれの生活環境に合わせて細やかに保障内容をデザインすることが重要です。
なかでも「独身の方の保険選び」となると、選ぶポイントがわからない人が多いでしょう。独身の方の場合、配偶者や子供といった家族がいる人とは異なる基準で保険を選ぶべきだということは分かっていても、具体的にどのような保険が必要なのかまで分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、独身の方の保険選びについて分かりやすくお伝えしていきます。
1.医療保険と就業不能保険・所得補償保険
独身の方の保険選びにおいて、優先的に考えたいのは、医療保険と就業不能保険・所得補償保険です。医療保険は入院や手術をした際にその治療費をカバーするための保険、就業不能保険・所得補償保険は病気やケガで働けなくなったときの収入減を補うための保険になります。
なぜ独身の方が医療保険と就業不能保険・所得補償保険を優先的に考えたほうが良いのでしょうか? その理由を見ていきましょう。
万が一、身体を崩して入院や手術をした場合、その治療費の負担が発生します。もちろん日本の公的医療保険制度は充実しており、もしも多額の治療費がかかったとしても、個人の自己負担費用は限られます。ですが受けた治療の内容や入院時の状況によっては、自己負担費用が膨らんでしまうケースがあることはご存知でしょうか?
その代表的な例として挙げられるのは、差額ベッド代と呼ばれる個室で入院した際にかかる部屋代、入院中の食費や被服費といった雑費などです。令和元年度「生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)によれば、入院した場合の自己負担額は1日につき平均23,300円という金額が示されています。
それに加えて入院や手術をしたときには、仕事を休むことによる収入ダウンも大きな問題となります。
会社員の方であれば休んだ日数や原因に応じて傷病手当金を受け取れますが、それでも収入は60%程度の水準に下がってしまいますし、その受給期間は通算1年半までという限度が設けられています。自営業をはじめとした受給資格がない方については、完全に収入が途絶えて無給の状態になってしまう心配もあります。
独身の方が「治療費の自己負担」と「収入ダウン」の二重苦に陥ってしまったとしたら、それまでの生活を維持するのはとても大変そうですね。そのときに用意しておくと心強いのが医療保険と就業不能保険・所得補償保険です。
医療保険は、一般的に入院1日につき5,000~10,000円、手術1回につき10~20万円といった形で治療費の負担を和らげてくれます。就業不能保険・所得補償保険は、もし働けなくなった際に1ヶ月に一度、給料のような形で給付金を受け取ることができます。
独身の方が抱える大きなリスクは、「自分が病気やケガになったときにそれまでの生活を維持できるかどうか」です。そのリスクをカバーする医療保険と就業不能保険・所得保障保険は、独身の方が優先的に考えるべき保険と言えます。
独身の方は、職業や社会保険、月々の給与といった生活状況と照らして、適切なボリュームの医療保険と就業不能保険・所得補償保険はしっかり用意しておきたいところです。
参考記事:入院費用は実際いくらかかる? 入院時に必要になる費用まとめ

2.終身保険
次に気になるのが終身保険ですが、独身の方の場合、どのように考えれば良いのでしょうか?
終身保険は、被保険者に万が一のことがあった際、受取人に指定したご家族がまとまったお金を受け取れる保険です。独身の方が終身保険を用意する意義としては「最低限の葬祭費用の確保」と「老後の生活資金の形成」の2点です。それらのポイントに沿って、どのような終身保険が独身の方に適しているのか考えてみましょう。
最初に最低限の葬祭費用の確保についてお話します。「終身保険は1,000万円~2,000万円くらい用意した方がいい」という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、それはあくまでも残された家族の生活を支える必要がある場合です。
独身の方であれば、もしも自分に万が一のことがあった時に備えて、両親や兄弟に負担をかけないように最低限の葬祭費用として200万円~300万円を用意しておけば十分でしょう。
ただし注意したいのは、すでに両親が仕事をリタイアしており、自分の扶養家族になっているケースです。そのような場合には、死亡保険金から残された家族の生活を支えるための費用捻出も想定し、万が一のときの保険金はある程度高額に設定したほうが良いかもしれませんね。
続いて老後の生活資金の形成についてですが、これは多くの方が頭を抱えている問題でしょう。 とくに独身の方は、少子高齢化の進行などによって公的な年金制度に頼れなくなった今、自分の手で老後の生活資金を確保していかなければなりません。
その方法の1つとして低解約返戻金型終身保険があります。

低解約返戻金型終身保険は、一般的に保険料の払込期間後に解約した場合に、払い込んだ保険料以上の返戻金を受け取れるタイプの終身保険です。そのため、低解約返戻金型終身保険は、万が一のことがあったときの葬祭費用や遺族の生活費用としてはもちろん、老後の生活資金の確保としても活用することができるのです。
「低解約返戻金型」という名前の通り、もし保険料の払込が終わる前に解約をした場合は、解約返戻金として受け取れる金額は払い込んだ保険料を下回ることがほとんどですが、その分、通常の終身保険と比べて月々の保険料は抑えてあることがほとんどです。
このように独身の方の終身保険ついては、「最低限の葬祭費用の確保」と「老後の生活資金の貯蓄」を兼ねて、低解約返戻金型終身保険を200~300万円を準備しておけば、ひとまずは安心と言えそうです。
まとめ: “いざというとき” に生活を維持できるだけの保障の準備を!
いかがでしたか?
ここでは独身の方が考えるべき代表的な保険として、医療保険、就業不能保険・所得補償保険、低解約返戻金型終身保険などについてご紹介してきました。
ですが独身の方と一口に言っても、職業や性別、結婚予定の有無など、その生活状況は様々です。実際に保険選びをするとなれば、多くのことを考えながら自分に適した保険を選ぶ必要があります。「保険選びって何だか大変そうだな……」と少しでも思われた方は、保険のプロの力を借りてみるのも良いかもしれません。
もちろん保険見直し本舗でも、独身の方の保険選びのお手伝いをしております。知識と経験の豊富なプロが、小さなことでも丁寧にご対応いたします。是非一度お気軽にご相談ください。心よりお待ちしております。
