主人公は20代半ばのサラリーマン。仕事にも慣れてきてバリバリ働く毎日。まだ独身で、頭の中は仕事と遊びのことだけ。そんな「保険」の「ほ」の字も考えたことがない主人公だったが、大学時代の友達と久しぶりに再会して……?


20代の方のなかには、マンガの主人公のように、ふとしたキッカケで保険について真剣に考え始めることもあるかもしれません。今はまだ保険に加入していない20代の方も、「もういい大人だし“いざというとき”に人の手を借りずにちゃんと自分でどうにかできるように、そろそろ保険くらい準備しておかなきゃ……」と心のどこかで考えているのではないでしょうか。
しかし、保険を選ぶといっても、具体的にどのように選んでいけば良いのか、なかなかイメージが浮かびません。そういうときには、まずは「独身か?既婚か?」というポイントに着目して、保険を選んでいくことがオススメです。
ここでは、「独身か?既婚か?」というポイントにそって、「自分に合った保険の選び方」を分かりやすくお伝えしていきます!

1.20代独身の保険の選び方
独身の方の場合、必ずしも多くの保険は必要ではありません。
独身の方が保険を選ぶうえでのポイントは、「自分自身に万が一のことが起こったときに困らないようにする」ということです。
少し具体的に言えば、病気やケガをしたときの医療費をカバーできる「医療保険」と、病気やケガで働くことできなくなったときの医療費と収入減に備える「就業不能保険」を2本の柱として考え、ゆとりがあれば将来的な貯蓄や老後資金の備えとして「個人年金保険」「終身保険(低解約返戻金型)」などにお金を回してみても良いかもしれません。
それぞれ細かく見ていきましょう。
1-1 まずは入院・手術に備える医療保険の検討を!
医療保険は、病気やケガによる入院・手術をしたときの治療費に対して備える保険です。一般的には、「入院したら1日につき5,000円~10,000円」「手術をしたら1回につき5万円~20万円」といった保障内容を備えています。
まず医療保険が必要な理由は、20代の方の場合、まだ貯蓄が十分でないことが多いからです。
病気やケガによる治療費は、貯蓄が十分あれば、それでまかなえることもあります。しかし、20代ではまだ貯蓄が十分ではないことも多いので、それでカバーすることができず、病気やケガによる費用が経済的に大きな負担になります。
そうした病気やケガによるリスクに備える意味で、20代の方は手厚い医療保険を備えておくべきでしょう。
⇒医療保険はこう選べ!商品を比較する前に知っておきたい3つのこと
1-2 次に就業不能保険を検討しよう!
次に就業不能保険ですが、主にこれは働けなくなったときに収入減となるリスクに備えるための保険です。
たとえば病気やケガで長期にわたって入院や療養が必要になれば、働くことができなくなってしまいます。そのときに収入が途絶えてしまったり、減ってしまったりすることが考えられますが、就業不能保険はそのような「収入減」をカバーするための保険だと言えます。
保障内容としては、保険会社ごとに決められている「所定の就業不能状態(=働けない状態)」に該当した場合、その状態が続く限り1か月につき10万円~50万円程度の保険金を受け取れる、といったものです。
しかし、一言で「働けなくなって収入が減る」といっても、仕事が会社員か自営業かによって、減る度合はずいぶん違います。会社員の場合、働けなくなったときには、組合や協会の健康保険から通算1年半の間は「傷病手当金」という給料の約2/3に当たる金額をもらえますが、それでも収入は約1/3ダウンします。その支給期間を経過したら傷病手当金の支給は終了し、さらなる収入ダウンも見込まれます。
また自営業の場合、そもそも国民健康保険ですから、傷病手当金の支給はありません。ですので、働けなくなったときの収入に関して言えば、会社員よりも厳しい状況に立たされると言えるでしょう。
そのうえ、このような「収入減」のなかで、治療費や介護費といった「支出増」が加わったら、その人の生活はどうなってしまうでしょうか。もしかしたら、生活そのものが成り立たなくなってしまうかもしれません。そのため、そうしたリスクに備えるために、就業不能保険はしっかり用意しておいたほうが良いと言えます。
⇒意外と知られていない!? 就業不能保険を選ぶときの4つのポイント!
1-3 少しゆとりがあれば将来に向けて個人年金保険や終身保険も
金銭的な余裕がいくらかあり、貯蓄に興味がある方は、積み立てタイプの保険を早いうちから検討してみても良いかもしれません。
「保険で貯蓄?」と首を傾げるかもしれませんが、保険のなかには積み立て機能を備えたタイプも存在します。それが低解約返戻金型の終身保険や、個人年金保険です。
積み立て機能をもつ保険は「一定期間は保険料を支払う代わりに、所定の年齢に達した段階で保険金や解約返戻金を受け取れる」といったものが一般的です。基本的に支払った保険料よりも、受け取る保険金のほうが大きくなります。
20代の方がこうした保険を検討するメリットとしては、若くて健康なうちに積み立てタイプの保険に加入したほうが「支払った保険料に対して受け取る保険金や解約返戻金が大きくなる」という点が挙げられます。支払った保険料に対する受け取る保険金や解約返戻金の割合を「返戻率」と呼びますが、これが高ければ高いほど「お得」な保険ということになります。
たとえば、支払い保険料の総計としては同じ100万円ですが、それぞれ返戻率が110%と120%の2つの保険があったとしましょう。仮に110%のほうをA、120%のほうをBとします。
<保険A>
保険料:100万円
保険金:110万円
返戻率:110%
<保険B>
保険料:100万円
保険金:120万円
返戻率:120%
保険は“いざというとき”に備えるためのものなので、原則的には損得で考えるものではないのですが、やはり同じ保険料であれば返戻率の高い=受け取れる保険金の大きい保険Bに加入したいと思うのが人情ではないでしょうか。
そして、基本的にこの返戻率は年齢と健康状態によって大きく左右され、若くて健康な人ほど高くなるのが通例です。ですので、将来のために貯蓄はしっかりしておきたいと考えている20代の方にとって、こうした積み立てタイプの保険は十分に検討の余地があると言えます。
⇒「個人年金保険ってどうやって選べば……?」年金保険を選ぶためのたった3つのポイントはコチラ!
●まずは最低限の医療保険を検討する
●次に働けなくなったときの収入減に備え就業不能保険を一考
●もし経済的に余裕があれば、将来のために個人年金保険や終身保険を検討するのもアリ

2.20代既婚の保険の選び方
続いて20代既婚の方は、どのように保険を選んでいけば良いのでしょうか。
既婚の方の保険選びのポイントは、「“いざというとき”に自分だけではなく家族も困らないようにする」ことです。独身の方の保険選びとの大きな違いは、独身の方にとっての保険が「自分を守るためのもの」なのに対して、既婚の方にとっての保険は「自分と家族を守るためのもの」というニュアンスが強いところでしょう。
とはいえ、20代の既婚の方の保険選びが難しいのは、「片働き家庭か、共働き家庭か」「子供がいるか、いないか」といった条件により備えるべき保険も大きく変わってくるところです。
簡単に用語の定義について触れておくと、「片働き家庭」は「仕事をして収入を担っているパートナーと、家事に従事して家庭を支えているパートナー(専業主婦/主夫)の組み合わせ」、「共働き家庭」は「どちらも仕事をしているパートナーの組み合わせ」のことを指しています。
ここでは結婚しているケースを「片働き家庭」「共働き家庭」に分けて、それぞれの保険の選び方について見ていきます。その後に、子供がいる場合の保険の選び方に関しても補足的にご説明します。
2-1 片働き家庭の保険の選び方は?
片働き家庭は、仕事をして収入を担っているパートナーと、家事に従事して家庭を支えているパートナーからなる家庭です。
まず片働き家庭で最も心配すべきリスクは、仕事をして収入を支えているパートナーが、病気やケガをして入院・手術をしたり、万が一亡くなったりして、「家庭の収入が減少してしまったり途絶えてしまうこと」だと言えます。もしそうなったら、残された家族は経済的に困窮し、今まで通りの生活を送ることが難しくなってしまう懸念が大きいからです。
ですので、仕事をして収入を担っているパートナーが「病気やケガで入院・手術をする」「病気やケガで亡くなる」という2つのリスクに対しては、しっかりと何かしらの方法でカバーしておくべきだと言えるでしょう。
これらのリスクに保険で備える方法としては、入院・手術をしたときの治療費をカバーする「医療保険」、病気やケガで働けなくなったときの収入減をカバーする「就業不能保険」、そして亡くなったときの残された家族の生活を支える「死亡保険(定期保険・収入保障保険)」などが挙げられます。仕事をして収入を支えているパートナーの保険は、このような保険を手厚く備えておくと安心です。
次に専業で家事をするパートナーの保険ですが、仕事をしているパートナーほど手厚い保険は必要ありません。最低限の「医療保険」と「死亡保険」を準備しておきましょう。
専業で家事をするパートナーが病気やケガで入院・手術をした際にも、その治療費はかかってきます。また、専業で家事をするパートナーが入院している間、残された家族は外食が多くなったり、ホームヘルパーやベビーシッターをお願いしたりすることもあるかもしれません。
このように入院・手術をしたときに治療費も含めて普段よりも様々な費用がかかってくるのは確かですから、それに備えて最低限の医療保険は用意しておいたほうが良いでしょう。
また、少なくとも経済的な面に限って言えば、主に収入を支えるパートナーの時とは違い、専業で家事をするパートナーに万が一のことがあったとしても、家庭の収入へのダメージは大きくはありません。
とはいえ、どうしても葬祭費用などは必要になってきますし、残されたパートナーが仕事と家事・育児の両立が厳しく、ホームヘルパーやベビーシッターを利用することも考えられます。ですので、最低限の葬祭費用+αとして300万円~600万円程度のコンパクトな死亡保険は用意しておいても良いかもしれません。
●仕事をして収入を担っている方には、「医療保険」や「就業不能保険」、「死亡保険(定期保険・収入保障保険」を手厚く準備する
●家事をして家庭を支えている方には、最低限の「医療保険」と「死亡保険(終身保険)」を準備する
2-2 共働きの家庭の保険の選び方は?
共働き夫婦のご家庭の場合、夫婦ともに仕事で収入を得ていますから、どちらか一方が病気やケガで働けなくなったとしても、入院・手術による「治療費などの出費の増加」と、働けないことによる「収入の減少」が発生します。
もう少し身近なお金の話でいえば、総務省の調査によると、2人以上の勤労世帯の場合、月々の実支出は平均して305,811円、つまり約31万円という結果が出ています。特にまだ貯蓄が多いとはいえない20代の共働き夫婦だと、どちらか一方の収入のみでこの月約31万円の出費と、それに加えてかかってくる治療費をカバーすることは、かなり大変だと言えるのではないでしょうか。
共働き夫婦の保険は、どちらが病気やケガで働けなくなったとしても、「治療費などの出費の増加」や「収入の減少」に対応できるよう、それぞれバランス良く「医療保険」と「就業不能保険」を用意しておくのがオススメです。
また、共働き夫婦の死亡保険に関しては、お互いにパートナーに万が一のことがあったとしも自活できるだけの収入があるのであれば、最低限の葬祭費用分として200万円~500万円程度を用意しておけば十分です。
しかし、共働き家庭でもパートナー間に大きな収入の差があるのなら、その収入の割合に応じて「収入の多いパートナーには手厚い保険、収入の少ないパートナーには比較的に手薄な保険」といった形にしても良いかもしれません。
●パートナーそれぞれに「医療保険」と「就業不能保険」をバランス良く準備する
●死亡保険は、お互いにパートナーに万が一のことがあったときに自活できるだけの収入があれば、最低限の葬祭費用分として200万円~500万円程度を用意しておけば十分
●パートナーの間に大きな収入の差があるなら、その収入の割合に応じて保険のボリュームを決めるのも一つの考え方
2-3 子供がいる家庭の保険の選び方は?
子供がいるご家庭の保険の選び方は、ご紹介してきた結婚した方が持つべき保険にプラスして「“子供のための保険”をどうするか?」という点が重要になってきます。
“子供のための保険”という言葉づかいをしましたが、これは「子供が病気やケガをしたときの医療保険」「自分に万が一のことがあっても、子供の教育費や生活費も含めてカバーできる定期保険」「子供の学費を準備するための学資保険や終身保険(低解約返戻型)」などのことです。
なぜ、これらの保険が子供のためになるのか見ていきましょう。
■子供が病気やケガをしたときの医療保険
まず子供をめぐるリスクとして思いつくのは、病気やケガをして治療費がかかることではないでしょうか。そして、医療保険はそのリスクに対して備えるために必要だというわけです。しかし、基本的に子供が大きな病気やケガをする可能性は低く、現行の日本の制度において子供の治療費はほとんどかからないようになっています。
それにも関わらず子供に医療保険が必要なのは、「もしも子供が大きな病気やケガをしたら将来的に医療保険に入りたくても入れない」というリスクがあるからです。
医療保険には誰でも加入できるわけではありません。原則的にどの医療保険でも「健康告知」が設けられており、その条件をクリアできる健康状態の方でなければ入ることはできないのです。
将来的に子供が病気やケガをし、「健康状態で医療保険に加入できず入院や手術の備えが何もない……」ということにならないように、ご両親が小さいうちに最低限の保障を“持たせておいてあげる”ことが子供の医療保険の大きな意味だと言えます。
⇒医療保険はこう選べ!商品を比較する前に知っておきたい3つのこと
■両親に万が一のことがあっても、子供の教育費や生活費をカバーできる定期保険
先ほど「結婚している方の保険は自分や家族を守るためのもの」だとお伝えしましたが、子供がいる家庭の場合、当然その守るべき家族のなかに子供も含まれます。
たとえば、夫婦のどちらかに万が一のことがあり、収入が減少したことによって子供が生活に困ったり、やりたい事や将来の夢を諦めたりといったことは避けたいところでしょう。その意味で、子供がいる家庭の場合、両親に万が一のことがあっても独立するまで子供が経済的に困らないように手厚い死亡保険(定期保険)を用意しておいたほうが安心です。
■子供の学費を準備するための学資保険や終身保険(低解約返戻金型)
子供にかかる大きな費用の1つとして、学費が考えられます。現在、日本の高校進学率は98.9%、大学・短大進学率は58.9%となっています。子供のほとんどが高校に進学し、さらにその半数以上が大学まで通うことになる計算です。
では、具体的に学費としてどのくらいの費用がかかるのでしょうか。もちろん子供が私立に通うか、国公立に通うか、などによっても変わってきますが、参考までに「すべて国公立に通った場合の学費」と「すべて私立に通った場合の学費」を計算すると、次のようになります。

このように見ていくと、おおよそ子供の学費としては、幼稚園から大学までで800万円~2,300万円かかるとひとまず言えそうです。
普通に考えて、いくら子供のためとはいえ、これだけ大きな費用を自分の手で少しずつ貯蓄していくのはかなり大変な作業でしょう。そのようなときに活用できるのが「学資保険」や「終身保険(低解約返戻金型)」です。
ザックリとした言い方をすれば、これらの保険は「一定の期間まで保険料を支払う代わりに、満期や解約のときにまとまった保険金を受け取れる」というものです。そして、基本的には支払った保険料よりも受け取る保険金のほうが多くなるよう設定されています。保険会社や保険商品、加入時期によっても変わってきますが、返戻率はおおよそ100%~110%程度のものが多いようです。
このような保険を学費の貯蓄として活用するメリットは、「保険契約なので毎月保険料が引き落とされ貯蓄が自動化できる」「途中解約すると支払った保険料より受け取る保険金が少なくなることが多いので、これを避けるために途中解約しないで満期まで続けやすい」「銀行の利率よりも利回りが高いケースもある」といった点です。
いずれにしても、子供の学費は何かしらの方法で準備しなければならないものですから、その方法の1つとして、子供のいるご家庭の方は学資保険や終身保険(低解約返戻金型)なども検討してみてはいかがでしょうか。
●最低限の子供用の医療保険があると安心
●子供が独立するまでの間は、手厚い死亡保険(定期保険など)があったほうが良い
●子供の学費の準備には「学資保険」や「終身保険(低解約返戻金型)」の活用も1つの方法
まとめ:独身、既婚だけではない! 20代が保険を選ぶ基準は他にもある!?
いかがでしたか?
ここでは、独身のケースと既婚のケースに分けて、20代の方が保険を選ぶポイントを簡単にお伝えしてきました。
しかし、ここでご説明したことは保険を選ぶ際のごく基本的な知識に過ぎません。実際に保険を選ぶとなると、他にも職業、家族構成、将来のライフプランなども含めて総合的に考えていかなければなりません。
「保険を選ぶのは初めてだし、自分で保険を選んでいくのは難しそうだな……」
そのように思われた方は、保険のプロの助言を参考にしてみるのも一つの手段です。保険見直し本舗にも、知識や経験が豊富なプロとして、コンサルティングアドバイザーが多く在籍しており、皆さんの保険のお悩みについて一つ一つ丁寧にお応えしていく「無料相談サービス」も行っています。もちろん、相談したからと言って保険に加入する必要はありませんし、しつこく無理やり勧誘することも決してございません。
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