学資保険の返戻率と貯蓄性~教育資金を準備するための様々な方法~

保険の基礎知識

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学資保険の返戻率と貯蓄性~教育資金を準備するための様々な方法~

教育資金を備える方法として真っ先に思い浮かぶのは、やはり「学資保険」。「学資」と名前につく位ですから、「教育資金の準備なら学資保険だよね」と何となく思われている方も多いのではないでしょうか。

確かに教育資金を備えるするうえで、学資保険は定番中の定番です。しかし、その他にも自治体から支給される児童手当の預貯金、ジュニアNISA、低解約返戻金型終身保険、など、今では様々な方法も広がっています。

学資保険には学資保険の、預貯金には預貯金の、ジュニアNISAにはジュニアNISAの、低解約返戻金型終身保険には低解約返戻金型終身保険の、それぞれ固有の特徴を持っています。そうした個別の商品特性を知らずに、とりあえず教育資金の準備なら学資保険というイメージ先行の保険選びは後悔につながりかねません。

そこで、ここでは、教育資金に備える方法としての学資保険の特徴と、より効率的に準備をするための返戻率の上げ方についてお伝えします。そのうえで、児童手当の預貯金、ジュニアNISA、低解約返戻金型終身保険といった、ほかの教育資金の準備方法ついてもご紹介していきます。

まとめ. それぞれの商品特性を抑えて複数の方法で備えるのがベター!

1.貯蓄代わりとしての学資保険

教育資金の準備で一番大切なことはなんでしょうか? 教育資金の準備で最も大切なのは、「必要な時期」に「必要な金額」を「低コスト」で用意できることです。

主に教育資金の出費が多くなるのは、大学入学時、高校入学時、中学校入学時など、進学のタイミングでしょう。そこで授業料や入学金が必要になるのですが、もし家計が苦しいとしても、その支払い時期は待ってくれません。

学費の支払いができないと、子供に教育を受ける機会を与えてあげられませんね。ですから、教育資金を準備するなら、「必要な時期」に「必要な金額」をシッカリ受け取れるような形で準備するのが得策です。当たり前のことですが、とても大事なポイントです。

次に「低コスト」とは、「少ない支払い」で「大きな受け取り」をしたほうが良いという意味です。せっかくならできるだけ賢く準備できたほうが嬉しいですよね。

では、「必要な時期」に「必要な金額」を「低コスト」で準備する、という点において、学資保険はどのようなメリットとデメリットを備えているのでしょうか?ポイントを絞って見ていきましょう。

1-1 固定金利で運用するので見通しが立ちやすい

必要な時期に必要な金額が受け取れること。それが教育資金の準備をするうえで重要なポイントだとお伝えしました。そのために学資保険は「固定金利」を採用しています。

固定金利とは「景気の変動に関わりなく当初に取り決めた利率で預かった保険料を運用します」ということです。これだけだと少し分かりにくいですね。その反対の「変動金利」と比較してみましょう。

変動金利は、「市場金利や景気の動向に合わせて、預けた保険料への利率が変化する運用方式」を指します。景気がよくなれば、その恩恵として利率は高くなります。一方で景気が悪くなれば、それに引きずられて利率は低くなります。

景気の変動は様々な要因から影響を受けており、専門家でさえ予測は困難です。ですから、それらと連動する変動金利では、「いつどのくらい受け取れるか」という見通しが立ちにくいと言えそうです。

対して固定金利であれば、景気の変化や市場の動向とは無関係に、いつも同じ利率になっています。言いかえれば、いつどのくらい受け取れるかというビジョンが明確に示されているのです。

繰り返すようですが、学資の貯蓄方法の基本的な条件は「必要な時期」に「必要な金額」を受け取れること。それゆえに学資保険の多くは固定金利で運用しています。

1-2 返戻率が高いので効率的に教育資金の準備ができる

続いて教育資金の準備において重要なのは「低コスト」、すならち「小さいコスト」で「大きなリターン」を受け取れるかどうかでしょう。

もし学資保険が支払った保険料に対して受け取れる金額のほうが少なかったり、わずかしか利率がつかないなら、多くの人はわざわざ学資保険で教育資金の準備をしようとは思わないかもしれません。その分のお金を銀行口座に預けておいたほうが良いと考えるのではないでしょうか。

ですからほとんどの場合、学資保険では「支払った保険料の総額」よりも、「支払われる保険金の総額」の方が多い設定になっています。この「支払った保険料の総額」に対する「支払われる保険金の総額」の割合を「返戻率」と呼びます。

これが「どのくらいのコストでどのくらいのリターンが得られるか」という目安になります。商品や保険会社によっても異なりますから、商品選びの段階で必ずチェックしておきたいところです。

学資保険で受け取れる保険金の総額は「満期保険金+進学祝い金」ですから、返戻率の計算方法は以下のように表せます。

返戻率=(満期保険金+入学祝い金)÷支払った保険料の総額×100

返戻率が高ければ高いほど「小さいコスト」で「大きいリターン」が得られます。たとえば支払う保険料の総額が100万円の場合、返戻率100%なら受け取れる保険金の総額も100万円、110%なら110万円、120%なら120万円となります。

「せっかく教育資金を準備するなら、やはり効率的に準備したい」と考えるのは当然です。この後の章でも詳しく解説しますが、契約内容や付加する特約によって、返戻率の高い商品も多い事が学資保険が教育資金の準備方法として優れている点の1つでしょう。

1-3 教育資金の準備方法としての注意点

さて、学資保険が教育資金の準備方法として優秀なポイント、「固定金利での運用」と「高い返戻率」を見てきました。一方でリスクやデメリットもありますから、そちらも簡単に見ていきましょう。

主なデメリットとしては以下の通りです。

●インフレに対応できない
インフレになった場合、物価が上昇しますので、お金の価値が下がってしまいます。インフレになると、学資保険に加入した当時の学費よりも、保険金の受け取り時期の学費のほうが高くなっている可能があるのです。

学資保険は固定金利ですから、あらかじめ支払う保険料と受け取る保険金の額は決まっていますので、インフレには対応ができません。

●契約途中で解約した場合に元本割れしてしまう可能性がある
学資保険で教育資金を準備する場合、途中でなにか急な物入りがあったとしても、支払った金額をそのまま現金化することは原則的にできません。もしどうしてもキャッシュが必要ならば、そのときに途中解約し、解約返戻金を受け取るという形になります。

しかし基本的に学資保険の解約返戻金は、それまで支払った保険料の総額よりも大きく下回ります。学資保険の加入を検討しているなら、満期まで契約を継続する見通しが必要でしょう。

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2.返戻率の高め方

わざわざ学資保険で教育資金の準備をするとしたら、できるだけ少ないコストで、できるだけ大きいリターンを得たいもの。そのため、学資保険の返戻率はとても重要な数字でしょう。

実は返戻率を高めるにはいくつかテクニックがあります。ここでは、大きく分けて三つの方法、「払込期間を短くする」「特約を付加しない」「早い時期に加入する」をご紹介していきます。

2-1 払込期間を短く設定する

学資保険の払込期間には、基本的には満期と一致します。たとえば満期が18歳であれば18歳まで保険料を支払い、満期が17歳であれば17歳まで保険料を支払うという形をとります。

一方で商品によっては、契約時に一括で満期までに相当する保険料総額を支払う全期前納、契約から5年間で満期までに相当する保険料総額を支払う5年払済、同じく10年間で支払う10年払済など、払込期間を短期間に設定することが可能です。

商品ごとに変わるので一概には言えませんが、払込期間を5年から10年の間に設定すれば、返戻率はおよそ5%から10%弱の上昇が見込めるようです。

とはいえ、支払い期間を短くするということは、月々に支払う保険料は必然的に大きくなることを意味します。もし払込期間の終了前に支払いができなくなり、途中解約をしたら元本割れをしてしまう可能性も高まります。

いくら返戻率を高めたいとはいえ、あくまでの生活とのバランスを見失わないことが肝要です。

2-2 特約を付加しない

学資保険には主契約のほかに、様々な特約を付加することができます。

万が一、子供が入院手術をしたときの医療保障であったり、保護者が死亡もしくは高度障害状態となった場合の死亡保障やそれ以降の保険料の払い込みが免除されるものであったり、そのバリエーションは多岐にわたっています。愛おしい我が子のためにと、色々な特約を付加したい欲望に駆られるのは無理のないことです。

とはいえ、「とりあえず特約を付加しておけば安心」とはいかないのが保険選びの難しいところ。特約が手厚ければ手厚いほど良い、というものでは断じてありません。その保険に入る目的、その保険に支払える保険料。それだけではなく、家計の収支や他の保険との兼ね合いなど、本当に多くの要素を勘定しなければいけません。

特に学資保険の場合、医療や死亡の特約を付加し場合、満期時に受け取れる保険金の返戻率は低下してしまうのが一般的。学資保険においては「返戻率の上昇」と「特約の充実」の両方取りは難しいのです。

学資保険への加入を「教育資金の準備」を目的とするのであれば、あえて大胆に特約をカットし、返戻率を高めることに集中するのも1つの方法でしょう。

学資保険の特約を考える場合、「子供のため」という大義名分があるので、当初の目的から逸れてしまいがちです。学資保険を検討する際には、「教育資金の準備」と「医療・死亡保障の確保」のどちらを優先すべきなのか、しっかりと明確な目的意識を設定し、そこから常に目を離さない一貫した姿勢が大事でしょう。

2-3 加入時期は早い方が良い

基本的に学資保険への加入可能年齢は、0歳から7歳の間に設定されています。返戻率の観点から考えた場合、どのタイミングで加入するのがベストなのでしょうか。

一般的に学資保険への加入が早ければ早いほど返戻率は高まります。商品にもよりますが、同じ商品の同じプランで比較すると、1年の加入時期の違いにつき約1~2%程度の差が生じるケースもあるようです。

学資保険は、加入者が支払う保険料を保険会社が運用して増やすことによって、支払った保険料よりも受け取れる保険金の方が多くなります。学資保険への加入が早ければ早いほど保険会社の運用期間も長くなるので、返戻率は高まるのです。

今では出産の経過が良好であれば、出産前(主に出産予定日の140日前)から申込み可能な学資保険も多くなっています。返戻率を高めるうえでも、学資保険を早めに検討した方が良いかしれません。


3.学資保険以外の教育資金の準備方法

これまで教育資金の準備方法として学資保険を見てきましたが、もちろん学資保険以外の方法もあります。確かに教育資金の準備のベースには学資保険を据える方も多いのですが、その弱点をカバーする意味で複数の方法を組み合わせるのもアリです。

ここでは学資保険とは違った特徴を持つ教育資金の準備方法として、「児童手当の預貯金」「ジュニアNISA」「低解約返戻金型終身保険」についてお伝えします。

3-1 児童手当の預貯金

「できるたけリスクなく堅実に貯めていきたい……」
「急にお金が必要になったときにはすぐに現金にできるようにしたい……」

そんな方にオススメの方法が、「児童手当の銀行口座への預貯金」です。銀行口座への預貯金のメリットは、「元本割れしない」「景気の変動に合わせて金利が変化する」「必要に応じてすぐに現金化できる」という点でしょう。そこに自治体から支給された児童手当をそのまま入金するという方法です。

「児童手当」とは、0歳から中学修了前までの子供を持つ家庭に支給される公的な制度です。支給額は子供の年齢や人数に応じて変わります。

    0歳~3歳未満 ⇒ 15,000円 / 月

    3歳~小学校終了前 ⇒ 10,000円 / 月(第3子以降は15,000円 / 月)

    中学生 ⇒ 10,000円 / 月

これを子供の教育資金、特に出費が多くなりがちな大学受験時/入学時に備えるために口座に貯金するとして、実際にどのくらい貯まるのかを試算をしてみると、

    0歳~3歳未満 ⇒ 15,000円×36ヶ月=540,000円

    3歳~小学校修了前 ⇒ 10,000円×108ヶ月=1,080,000円

    中学生 ⇒ 10,000×36ヶ月=360,000円

すべて合わせると、、、1,980,000円になります!

予想以上に大きい額ではないでしょうか? もちろんすべてを預貯金へ回す必要はないかもしれません。

何といっても預貯金のデメリットとしては「金利の低さ」が気にかかります。現在は「低金利時代」といわれるくらいですから、「寝かしている間にお金が増える」という点については望み薄といわざるを得ません。

ですが、そうしたメリットとデメリットを踏まえたうえで、あくまで教育資金の準備の方法の1つとして活用するには有効かもしれません。家計や他の方法ともあわせて、ぜひ検討してみてください。

3-2 ジュニアNISA

「学資保険や口座での預貯金では面白くない。たとえ元本割れのリスクがあるとしても、高い利率で学資の形成を考えたい!」

2016年4月からのスタートのためまだ間もないですが、最近「ジュニアNISA」という言葉を聞く機会も多くなったのではないでしょうか。もし、よりアクティブな方法で教育資金の準備を考えているなら、この「ジュニアNISA」も検討に値するかもしれません。

NISAは「株式や投資信託で得た配当金や値上がり益に対し税金が課されない制度(投資限度額あり)」です。

通常の銀行口座であれば、原則的にどういった形であれ、その運用で発生した利益に対して約20%の税金が課されます。しかしNISAのもとでは、株式や投資信託の運用で得た利益に税金はかかりません。NISAを利用した株式や投資信託によって、効率的な資金運用が可能なのです。

ジュニアNISAは、その子供版とも言える制度になります。

一般のNISAとジュニアNISAの大きな相違点は、前者が払い出しに制約がないのに対し、後者は「18歳まで親権者が代行運用する」という名目なので「18歳までは払い出しはできない」という点。教育資金が必要となるのは大学受験時/入学時、おおよそ子供が18歳の段階だと予想されるので、学資の準備の新たな選択肢の1つになっています。

そして何といっても運用の仕方次第では、その他の商品以上の大きな利率が期待できるところが最大の魅力でしょう。株式や投資信託での運用に自信がある方には、まさにうってつけの方法と言えるかもしれません。

しかし、注意しないといけないのは、NISAが株式・投資信託の運用を中心としたアグレシッブな資産形成としての性格が強いということでしょう。投資した資金が目減りする「元本割れ」のリスクは十分にありますから、投資に関する深い知識と豊富な経験がないのであれば、ジュニアNISAのみで教育資金の準備を考えるのはあまりオススメできません。

あくまで学資保険や低解約返戻型終身保険、もしくは預貯金などでベースを作ったうえで、サポート的な役割程度で視野に入れるのがベターではないでしょうか。

3-3 低解約返戻金型終身保険

「教育資金の貯蓄だけではなく、子供の結婚資金や自分たちの老後の生活資金や死亡保障など、もっと様々な用途に使える備えがしたい」

そういった方は「低解約返戻金型終身保険」をご一考してみてはいかがでしょうか? 低解約返戻金型終身保険は、通常の終身保険と比べると、保険料払込期間中に解約した場合、その解約返戻金が抑制されています。「低解約返戻型」と名前についているのは、そのためです。

ですが「保険料払い込み期間中の解約返戻金」が少ない一方で、「保険料払い込み完了後の解約返戻金」は100%前後の水準に達します。また、保険料払い込み期間中の解約返戻金を大胆にカットしているので、月々の保険料がリーズナブルになっています。

低解約返戻金型終身保険は、保険料払い込み期間の設定の自由度が高いので、それを5年もしくは10年にし、学資保険として利用することも可能です。

学資保険との大きな違いは、たとえ子供の教育費用が必要にならなかったとしても、そのまま据え置き(払い込んだ保険料を保険会社に預けておくこと)をすれば、解約返戻率は高まっていきますし、契約者が亡くなったときには保障を受け取ることもできる点でしょう。

このように低解約返戻金型終身保険は、家計とライフステージの状況に応じて、臨機応変な使い方が可能です。その点が大きな魅力でしょう。

とはいえ、利率でいえば、「子供の教育資金が必要になる段階」では低解約返戻型終身保険よりも学資保険に軍配が上がることが多いようです。そのデメリットにはしっかりと気を配りましょう。

改めてどのような目的で保険に加入するのかを問い返し、自分にあった商品を考えたいところです。



まとめ:それぞれの商品特性を抑えて複数の方法で備えるのがベター!

いかがでしたか?ここでは、

    ・教育資金の準備方法として大事なのは「必要な時期」に「必要な金額」を「低コスト」で受け取れること

    ・教育資金の準備方法として学資保険が魅力的なのは「固定金利での運用」と「返戻率の高さ」

    ・返戻率の上げ方は「特約を付加しない」「払込期間を短くする」「加入時期を早める」

    ・堅実にコツコツ貯めたいなら「児童手当の預貯金」、リスクがあっても利率を最重視したいなら「ジュニアNISA」、教育資金以外の様々な用途にも対応できるような備えなら「低解約返戻型終身保険」

などについてお話ししました。

様々な方法についてお伝えしてきましたが、どれか1つの方法のみで学資の準備をすることはあまりオススメできません。それぞれの商品のメリットを生かし、デメリットを補いあう形で、複数の方法でリスクヘッジをすることが得策でしょう。

「ただでさえ選択肢が多いのに、さらにそれらを組み合わせるなんて頭がパンクしそう……」

そう思われた方は、一度プロの意見を参考にしてみるものも良いかも知れません。きっとあなたの要望や家計の事情も含めたうえで、適切な助言をしてくれるはずです。

保険見直し本舗にも経験豊富なコンサルティングアドバイザーが多く在籍しています。もしご興味がございましたら、ぜひお子さんのための保険選びのお手伝いをさせて頂けたら幸いです。

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