生命保険とは? 基本から、加入率、選び方、見直しのタイミングまで徹底解説!

保険の基礎知識

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生命保険とは? 基本から、加入率、選び方、見直しのタイミングまで徹底解説!

私たちは日常を過ごしていくうえで、いつ病気やケガで亡くなるか分かりません。それに加えて、長寿国家の日本では、老後に介護が必要になったり、生活資金が足りなくなったりする「長生きリスク」も心配なところ。そのような想定外の事態に備えるのが生命保険です。

しかし、生命保険については、なんとなく突然のリスクに備えるものだと分かっていても、具体的にどのような保険なのかは良く分からない、という方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、生命保険の基礎知識について総合的に解説していきます。読み終わる頃には、しっかりと生命保険の基本的な部分が理解できるようになっているはずです。ぜひ最後までお付き合いください。

まとめ. 必要な生命保険を見極めるには比較が大事!

1.生命保険とは?

日本の保険は、公的保険と民間保険の2つに分類されており、さらに民間の保険は大きく3つに分かれています。その民間の保険の1つが生命保険です。ここでは、そもそも生命保険がどのような保険なのかを見ていきましょう。

1-1 生命保険はどんな保険?

生命保険とは、一般的にヒトを対象としている保険です。基本的な保障内容としては、被保険者に万が一のことが起こったときに、残された家族がまとまった保険金を受け取ることができます。

生命保険にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては、終身保険、定期保険、養老保険、収入保障保険などが挙げられます。これらが具体的にどのような保険なのかは、次の章で詳しく説明します。

1-2 生命保険の保険料はどうやって決まるの?

生命保険に加入した場合、その保障に応じて保険料を支払うことになります。それでは、生命保険の保険料はどのような仕組みで決まるのでしょうか。

生命保険の保険料は、予定利率、予定死亡率、予定事業費率の3つの数値をもとに算出されます。それぞれ具体的にどのようなものなのか解説していきます。

●予定利率
予定利率は、保険会社が契約者から集めた保険料の運用で見込む利回りのことを言います。保険会社は、契約者からあずかった保険料をもとに国債などで運用し、利益をあげながら将来的に契約者に支払う保険金を確保していきます。

運用がうまくいけば予定利率を高く設定することができるようになり、そのぶん保険料が割安な商品を提供できるようになります。その反対に、運用がうまくいかなければ予定利率が低くなり、そのぶん保険料が割高になっていきます。

●予定死亡率
予定死亡率は、契約者が契約期間中に死亡する確率のことです。これは男女別・年齢別などの死亡者数をもとにした統計を参考に計算されます。予定死亡率が上がれば保険料も高く設定され、下がれば安くなっていきます。

●予定事業費率
予定事業費率は、保険会社が保険事業を運営していくうえでの必要経費の割合です。具体的に必要経費とは、人件費、物件費、事務費、広告費などが挙げられます。予定事業費率が上がれば保険料は高くなり、下がれば保険料は安くなります。



2.生命保険の種類は?

前章では生命保険の概要についてお伝えしてきました。続いて生命保険にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。ここでは、生命保険のなかでも代表的なものとして、終身保険、定期保険、養老保険、収入保障保険について解説します。

●終身保険
万が一に備えながら、将来に向けた貯蓄にも活用できる生命保険です。

その名前の通り保険期間は一生涯で、保険料も変わりません。保険金は、死亡時・高度障害時などに受け取ることができます。途中で解約したときには加入期間や払込保険料に応じて解約返戻金が支払われます。しかし、そのぶん掛け捨ての保険と比べて保険料は割高に設定されています。

一生涯保障という特徴から、お墓代や葬祭費用などの死亡整理金への備えに適しています。また、場合によっては支払った保険料と同等、もしくはそれ以上の解約返戻金を受け取ることができるので、子どもの学費や住宅購入資金、老後の資金などの貯蓄にも向いていると言えます。

●定期保険
万が一のことが起こったときに、残された家族の生活保障に適した生命保険です。

保障は死亡保障と高度障害保障がメインになっています。保険期間は一定期間に限定されており、満期とともに保障は終わりを迎えます。満期までの間に更新がある場合は、そのたびに保険料は上がっていきます。また、解約時や満期時に受け取れる保険金は特に用意されておらず、いわゆる掛け捨てタイプの保険です。その代わりに貯蓄性のある保険と比べて保険料は割安になっています。

比較的に安価な保険料で手厚い保障を準備できるので、「子どもが小さい間だけ」「住宅ローンの支払いがある時だけ」など、特に大きな保障が必要な期間のみの備えに相応しいと言えるでしょう。

●養老保険
万が一に備えながら、将来に向けた貯蓄としても利用できる生命保険です。

基本的な保障内容としては、死亡保障と高度障害保障です。保険期間は一定期間となっています。満期とともに保障は終了し、満期保険金を受け取ることができます。途中で解約した場合には、解約返戻金が支払われます。一定期間の保障を準備しつつ、将来に向けた資金作りもしたいという場合には検討してみても良いかもしれません。

●収入保障保険
万が一のことが起こったときに、残された家族の生活保障に適した生命保険です。

主な保障は、死亡保障と高度障害保障となっています。保険期間は一定期間で、掛け捨てタイプの保険です。特徴としては、保険金の受け取り方が年金形式であることが挙げられます。支払い事由に該当した場合、その時点から満期までの間、年金形式で分割して保険金を受け取ることになります。

支払い事由に該当しない場合は、時間の経過とともに保障の残存期間が少なくなっていくので、それにともない保険金の受取総額は減っていきます。そのため、同じ掛け捨てタイプの死亡保険である定期保険以上に、保険料は割安に抑えられています。

一括で大きな金額を必要とするライフシーンには向いていませんが、長期にわたる生活保障には相応しい保険だと言えます。できるだけ割安な保険料で残された家族のための生活保障を用意したいというときには、ぜひとも検討しておきたいところです。

⇒「理解しておきたい! 生命保険の3つのグループ」について詳しくはコチラ!

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3.生命保険の加入率はどのくらい?

ここまで生命保険がどのような保険なのかを見てきましたが、実際にどのくらいの人が生命保険に加入しているのでしょうか。ここでは、生命保険文化センターの調査をもとに生命保険の加入率を見ていきたいと思います。年齢別・年収別の加入率もご紹介しますので、自分に当てはまるところをチェックしながら読み進めてみてください。

3-1 生命保険の加入率は?

最初に生命保険の世帯加入率について確認してみましょう。実際にどのくらいの世帯が生命保険に加入しているのでしょうか。次の図は、世帯別加入率の推移を示したものになります。

生命保険の世帯別加入率

令和3年時点の生命保険の世帯加入率は89.8%となっています。また、世帯加入率は平成6年以降は低下の傾向でしたが、それでも90%程度で推移していることが分かります。つまり、ほとんどの世帯が何かしらの生命保険に加入していると言えます。

3-2 生命保険の年齢別の加入率は?

前節では、生命保険の世帯加入率について見てきました。続いて、それを世帯主の年齢別・年収別でみると加入率に違いはあるのでしょうか。まず、年齢別から見てみましょう。

下図は、令和3年時点の年齢でみる世帯別加入率の分布です。

生命保険の年齢別加入率

世帯主の年齢別では、30歳から84歳までは、どの年代においても高い水準の加入率であることが分かります。そして、29歳以下と85歳以上は他の年代に比べて加入率がやや低くなっています。それはどのような理由によるのでしょうか。

まず、「29歳以下」については、結婚や子育て、子どもの独立といったライフスタイルの変化が乏しく、まだあまりライフイベントを経験していません。そのため、保険を検討する機会がなかったという背景が考えられるでしょう。

次に85歳以上については、これまで加入していた保険が満期や更新を迎えることが多い時期にあたります。しかし、その後にすべての人が新しい保険に加入できるわけではありません。中には、経済面や健康面で加入が厳しくなってしまうということもあるでしょう。そのため、85歳以上の加入率は他の年代と比べて低くなっていると想定できます。

このように、ライフイベントを迎える年代に属する人たちは総じて加入率が高く、生命保険の必要性を感じていると言えるでしょう。

3-3 生命保険の年収別の加入率は?

次は、年収別でみると、生命保険の加入率はどのようになっているのでしょうか。ここでは世帯年収別の加入率を見ていきましょう。

生命保険の年収別加入率

世帯年収別で見ても、どの年収の層も高い加入率であることが分かります。ただし、世帯年収が「200万円未満」になると、加入率が他の年収の層に比べて少し低くなっています。恐らくこれは、経済的にゆとりがなく、保険料の支払が厳しいという事情が影響している可能性があります。年収が増えるにつれて加入率が高くなる傾向があるのもそのためだと言えます。

とはいえ、「200万円未満」の加入率は73.8%、「200~300万円未満」の加入率は83.4%となっているので、必ずしも年収が多くないからといって加入率が低いわけではありません。やはり年収の多さに関わらず多くの世帯で生命保険に加入していることが分かります。

⇒生命保険?死亡保険?わかりにくい死亡保険(生命保険)の基本


4.貯蓄と生命保険って何が違うの?

前章では、生命保険文化センターのデータをもとに生命保険の加入実態について見てきました。ほとんどの世帯で何かしらの生命保険に加入していることをご理解いただけたのではないかと思います。

しかし、ここでひとつ疑問なのは、なぜ万が一のときの備えとして生命保険が選ばれているのかというところです。たとえば、亡くなったときのリスクに備えるという意味では、生命保険以外に貯蓄なども考えられます。実は、それは貯蓄と生命保険の性質の違いが大きく関係しています。

貯蓄と生命保険のそれぞれの特徴を表した例えとして、「貯蓄は三角系、生命保険は四角形」というものがあります。これは貯蓄と生命保険の貯蓄額(保障額)の貯まり方の違いを示しています。

貯蓄は毎月決まった金額を少しずつ貯めていくので、貯蓄額(保障額)は年月の経過とともに右肩上がりの三角形を描きます。それに対して、生命保険は加入してからいつの時点で万が一のことが起こったとしても一定の保障を得ることができるので、貯蓄額(保障額)は四角形となります。

ここで重要なのは、「万が一のことが起こるリスクはいつやってくるか分からない」というポイントです。貯蓄で備えをした場合、まだ貯蓄額(保障額)が十分ではないタイミングに万が一のことが起こったら、それによる経済的な負担をしっかりとカバーすることができません。その一方で生命保険であれば、加入した時点以降、いつ万が一のことが起こったとしても、契約時に定めた保障金額を受け取ることができます。

このように、貯蓄と生命保険のそれぞれの特徴を踏まえると、万が一のリスクに生命保険で備えるメリットは大きいと言えそうです。ただし、生命保険は貯蓄とは違い、支払った保険料を自由に出し入れすることができない点には注意しましょう。

⇒「死亡保険(生命保険)をどう選ぶ? 一般的な選び方と考え方のアドバイス」をチェック!



5.生命保険の選び方3つのステップ

実際に生命保険を検討するときに、いったいどのような基準にもとづいて自分に合った保険を選んで行けばいいのでしょうか。ここでは、自分に相応しい生命保険の検討をスムーズに進めていくうえで必ず押さえておきたい3ステップをお伝えしていきます。

ステップ1:加入目的を明確にする
はじめに、生命保険の加入目的を明確にしましょう。あなたはなぜ生命保険に加入したいと考えているのでしょうか。生命保険の加入目的や、どんな保障が欲しいのかを最初に明確にすることで、選ぶべき保険の種類を決めることができます。

たとえば、未婚の方であれば、葬式代のために保障が欲しい、老後資金のために貯蓄をしたいといったようなことが挙げられます。子どもがいるご家庭の方であれば、残された子どもの教育費のために保障が欲しいといったようなことも考えられます。その目的をベースにして保険期間や保険金額を決めていきましょう。

ステップ2:保険期間と保険金額を設定する
加入目的が明確になったら、それをもとに保険期間と保険金額を設定していきましょう。簡単に言えば、「生命保険の保障がいつまで・どのくらい必要なのか」を考えるということです。

いくつか例を挙げてみましょう。もしも生命保険への加入目的が、自分に万が一のことが起こったときの子どもの学費のカバーだとします。その場合、まず保障が必要な期間としては、子どもが大学を卒業して独立するまでの間になると思います。少なくとも保険期間は終身である必要はありません。

次に必要な保険金額は、子どもが歩んでいく進学ルートに合わせておおよその学費を計算し、それをしっかりカバーできるボリュームに設定すると良いでしょう。

このように、生命保険の保険期間や保険金額は、加入目的から逆算して決めていくことが大切です。

ステップ3:保険料とのバランスを考える
最後にしっかりと考えたいのが保険料とのバランスです。保険期間と保険金額が決まれば、自分に必要な生命保険の保障内容はかなり明確になったと言えます。それをもとに条件に合った各保険会社の生命保険の保険料を見ていきましょう。自分が求めている保障を得るにはどのくらいの保険料がかかるのか目安が分かるはずです。

それを踏まえたうえで、自分の保険料の予算と照らし合わせてみましょう。もしも予算をオーバーした場合、保険期間を短くするのか、保険金額を小さくするのか、あるいは予算そのものを上げるのか。そのような点について微調整していきながら、各保険会社の商品を見比べて、自分に合ったものを選んでいきましょう。


6.生命保険を見直すタイミングは?

ここまで生命保険の概要について解説してきました。

最後に見ていきたいのが、生命保険を見直すタイミングです。生命保険は一度加入したらそのまま放っておいて良いというものではありません。ライフスタイルの変化に応じて必要な保障は変わってくるので、それに合わせて定期的なメンテナンスが大切になります。

それでは、その見直しのタイミングとはいつなのでしょうか。ここでは、代表的な見直し時期について解説していきます。

6-1 結婚したとき

結婚をして一生をともにするパートナーができたときには、生命保険を見直すべきタイミングです。

結婚をしたら家族が増え、保険の意味は「自分を守るためのもの」から「自分と家族を守るためのもの」へと変わります。それに合わせて、お互いに万が一のことがあったときに、残されたパートナーが生活費用や葬祭費用で経済的に困らないように見直しを行いましょう。

6-2 妊娠・出産したとき

妊娠・出産したときも、生命保険を見直しておきたいタイミングの1つだと言えます。

子どもが小さいうちに両親に万が一のことが起こった場合、経済的に子どもにしわ寄せが行ってしまうリスクが考えられます。たとえば、希望していた進学先を変えなければならなかったり、普段の生活が苦しくなってしまったりするかもしれません。

そのような親として不本意な事態を避けるためにも、妊娠・出産したときは生命保険を見直すタイミングです。定期保険や収入保障保険で両親の死亡保障を上乗せし、いざというときに子どもに負担がかからないように見直しを行いましょう。

6-3 マイホームを購入したとき

実はマイホームを購入したときも保険を見直すタイミングの1つです。

マイホームを購入した時に住宅ローンを組んだ場合、それとともに団体信用生命保険に加入することが一般的です。この団体信用生命保険とは、ローンを組んでいる契約者にもし万が一のことがあったときに、その時点で残っているローンを保険会社が肩代わりしてくれるという保険。

マイホーム購入時にすでに加入している生命保険があり、その保険金額を住居費用も込みで設定しているのであれば、その部分は団体信用生命保険の保障と重複していることになります。その場合、どちらか一方の住居費用の保障は必要ないので、すでに加入している生命保険の重複部分をカットし、保険料の負担を小さくすることをおすすめします。

6-4 子どもが独立したとき

子どもが独立したときも保険を見直すタイミングです。

先ほど妊娠・出産のタイミングに、両親に万が一のことがあったとしても子どもが困らないように、両親の死亡保障を上乗せしたほうが良いと述べました。しかし、子どもが学校を卒業して経済的に自立したら、それらの保障は必要ありません。その先の死亡保障は、最低限の葬祭費用やお墓代などの死亡整理金があれば十分だと言えるでしょう。

子どもが独立したタイミングでは、死亡保障をコンパクトにするような形で生命保険の見直しを行うと良いでしょう。

6-5 退職・老後を迎えたとき

定年退職をして老後を迎えたときは、保険の見直しのタイミングです。

仮に今まで定期保険に加入していたのなら、その満期や更新が定年退職の時期に設定されていることもあります。今の保険を継続するにしても、新たな保険に加入するにしても、保険の見直しが必要になります。

そのときに意識したいのは、思い切って保障をコンパクトにすることです。老後を迎えたときには今までとは違い、定期的な収入がなくなり、年金生活に入ります。それに合わせて生命保険のボリュームも小さくしたほうが良いでしょう。

⇒死亡保険(生命保険)をどう選ぶ? 一般的な選び方と考え方のアドバイスついてはコチラ!



まとめ:必要な生命保険を見極めるには比較が大事!

いかがでしたでしょうか。
この記事では、生命保険の基礎知識から生命保険の加入の現状などについてお話してきました。生命保険に関して、おおよそのイメージは掴んで頂けたのではないかと思います。なかには、「ちょっとパンフレットを取り寄せてみようかな……」と興味を持った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際に生命保険を選ぶとなると、年齢や家族構成、将来のライフプランに応じて、自分に適した保険は変わってきます。また、多くの保険会社が生命保険を発売しており、そのなかから自分に合ったものを絞り込んでいくのは決して簡単なことではありません。

「なんか保険選びって面倒くさそうだな……」

少しでもそう思ったなら、保険のプロのアドバイスに耳を傾けてみるのも1つの方法です。

保険見直し本舗では、知識も経験も豊富なスタッフが多く在籍しており、皆さまに合った保険選びのお手伝いをさせていただいております。保険のプロに直接相談ができる「無料保険相談サービス」を行っていますので、お気軽に悩みをお寄せください。どんな悩みでも大歓迎です。一つ一つ丁寧にお答えいたします。

心よりお待ちしております。

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