保険でもらったお金に税金がかかる!? 保険金にかかる税金を徹底解説!

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保険でもらったお金に税金がかかる!? 保険金にかかる税金を徹底解説!

保険金や給付金を受け取るときに気になるのが、「保険でもらったお金に税金はかかるのか?」という点です。

“いざというとき”のために保険に入っていても、その保険金から税金が差し引かれ、手元に残ったお金が思ったよりも少なかった…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

やはり加入時に税金のことも含めて検討し、「万が一のとき実際にどのくらい保険金が受け取れるのか?」という点はしっかり押さえておきたいところです。

ここでは代表的な保険金や給付金、そして年金形式で受け取る保険金に対して、どのような税金を課される可能性があるのかを分かりやすく解説していきます。さらに、どういう契約にすれば税負担が軽くなるのかもお伝えしていきますので、これから保険を契約しようという方は参考にしていただければ幸いです。

まとめ. 保険金にかかる税金は複雑! 分からないことは専門家に相談を


1.保険金が課税対象になるケースを整理

保険金を受け取ったときには、以下のいずれかの課税対象となります。

相続税:相続によって財産を取得したときにかかる税金
所得税:なんらかの手段で所得を得たときにかかる税金
贈与税:生存している個人から財産をもらったときにかかる税金

どの税金が課されるかどうかは、保険金の種類に加えて、契約者(保険料を負担している人)、被保険者(保険の対象となってる人)、受取人(保険金を受け取る人)のそれぞれが誰であるかによって変わってきます。

そして、課税対象となる代表的な保険金としては、死亡保険金、満期保険金・解約返戻金、年金保険金などが挙げられます。それぞれ保険金ごとに順番に見ていきましょう。


1-1 死亡保険金

最初は、死亡保険金を一時金でまとめて受け取る場合からご紹介していきます。死亡保険金とは、被保険者が亡くなったときに、保険会社から受取人に支払われる保険金のことです。主に終身保険や定期保険などの死亡保険に備わっています。

死亡保険金に課される税金は、契約者、被保険者、受取人のそれぞれが誰なのかによって異なります。ここでは、夫を被保険者とした死亡保険のケースで考えましょう。受け取るのは死亡保険金ですので、受取人は夫以外の人ということになります。

●契約者と被保険者が同じ ⇒相続税
まず、契約者と被保険者が同じ、つまり夫が自分で保険料を負担していた場合です。この場合、死亡保険金は亡くなった夫が積み立てた保険料をもとにしたものにあたりますので「相続財産」(正確には「みなし相続財産」と言います)として扱われ、相続税の課税対象となります。

そして、被保険者の相続人である妻や子が受け取る場合には、死亡保険金は残された家族の生活保障という重要な目的を持った財産になりますので、一定の金額までは非課税となる税法上の特典があります。反対に、受取人が相続人以外のときは、非課税の扱いは認められていません。

●契約者と受取人が同じ ⇒所得税(一時所得)
次に、契約者と受取人が同じ、たとえば妻が夫を対象とする死亡保険の保険料を負担し保険金を受け取るケースです。この場合は、妻が積み立てた保険料をもとにした死亡保険金を自分で受け取ることになりますので「妻の所得」として扱われ、所得税の課税対象となります。

なお、所得は法令で10種類に分類されており、このケースで受け取った死亡保険金は「一時所得」として扱われます。

一時所得は、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のもので、労働や資産の譲渡(売却)による対価としての性格がない一時的な所得」とされています。保険金の他には、懸賞金、競馬などの払戻金、落し物を拾ったときに受ける謝礼などがこれにあたります。

●契約者と被保険者と受取人がすべて違う ⇒贈与税
最後は、契約者と被保険者と受取人がすべて違う人の場合です。受取人は自分以外の生きている人が積み立てた保険料をもとにした死亡保険金を受け取ることになりますので「贈与によって取得した財産」として扱われ、贈与税の課税対象となります。

死亡保険金の課税状況をまとめると、以下のようになります。

死亡保険金の課税

⇒生命保険? 死亡保険? わかりにくい死亡保険(生命保険)の基本


1-2 満期保険金・解約返戻金

続いて、満期保険金や解約返戻金を一時金でまとめて受け取る場合を見ていきましょう。満期保険金は生存保険や養老保険などで満期を迎えたときに受け取れる保険金で、解約返戻金は終身保険などを途中解約したときに受け取れる保険金です。

ここでポイントになるのは、契約者と受取人です。誰が保険料を負担し、誰が保険金を受け取るのか。それによって課される税金の種類が変わってきます。被保険者、すなわち保険の対象が誰であるのかは関係ありません。

●契約者と受取人が同じ ⇒所得税(一時所得)
契約者と受取人が同じ、たとえば夫が生命保険の保険料を負担し、自分で満期保険金あるいは解約返戻金を受け取るケースです。この場合は、死亡保険金のケースと同じように、夫が自分で積み立てた保険料をもとにした満期保険金あるいは解約返戻金を受け取ることになるため「夫の一時所得」として扱われ、所得税の課税対象となります。

●契約者と受取人が違う ⇒贈与税
契約者と受取人が違う人の場合も、やはり死亡保険金のケースと同じように、受取人は自分以外の生きている人が積み立てた保険料をもとにした満期保険金を受け取ることになりますので「贈与によって取得した財産」として扱われ、贈与税の課税対象となります。

満期保険金や解約返戻金の課税状況をまとめると、以下のようになります。

満期保険金の課税

なお、一時払い養老保険などで保険期間が5年以内のものや、保険期間が5年を超えるものでも5年以内に解約した場合などは「金融類似商品」とされ、満期保険金・解約返戻金には一律20.315%の源泉分離課税が適用されます。この場合の満期保険金・解約返戻金による所得は他の種類の所得と合算されず、分離して課税されることで納税は終了します。

⇒死亡保険(生命保険)の解約返戻金って何?


1-3 年金保険金

次は、年金保険金を受け取る場合について見ていきましょう。年金保険金とは、個人年金保険などで所定の年齢(60歳・65歳など)に達してから、一定期間(10年・15年など)もしくは一生涯にわたり、毎年継続的に受け取ることのできる保険金です。

年金保険金に対して課される税金の種類を考えるうえで着目したいのは、満期保険金・解約返戻金と同じように、契約者と受取人。つまり、誰が保険料を負担したのか、誰が保険金を受け取るのかに応じて、税金の種類に違いが出てきます。

●契約者と受取人が同じ ⇒所得税(雑所得)
契約者と受取人が同じ、たとえば夫が個人年金保険の保険料を自身で負担し、自分で年金保険金を受け取るケースです。この場合も、死亡保険金や満期保険金のケースと同じように、自分で積み立てた保険料をもとにした年金保険金を自分で受け取ることになるため、所得税の課税対象となります。

ただし、年金は継続的に受け取るもので一時的な所得ではないため、他のどの所得にも分類できない「雑所得」として扱われます。

●契約者と受取人が違う ⇒受け取り開始時は贈与税、毎年受け取る年金には所得税(雑所得)
契約者と受取人が違う、たとえば夫が契約者となった個人年金保険の年金保険金を妻や子などが受け取るケースです。考え方は、やはり死亡保険金や満期保険金のケースと似ているのですが、やや複雑な課税方法になっています。

自分以外の人が積み立てた保険料をもとにした保険金なので、受取人にとっては「贈与によって取得した財産」として扱われることに変わりはありません。

ただし、これは年金として保険金の受け取りを開始する初年度だけで、正確に言うと「年金受給権」、つまり「年金を受け取る権利」に対して贈与税がかかるようになっています。そして2年目以降は、あくまで「年金」と見なして「雑所得」として扱われ、毎年受け取るたびに所得税の課税対象となります。

ここまで聞くと、「贈与税も所得税も両方取られて大変だ!」と思われる方も多いと思いますが、過去には負担が重くなる課税制度でしたが現在では二重課税を避けるように税法が改正されています。「年金受給権」とともに、詳しくは第2章でご説明していきます。

年金保険金の課税状況をまとめると、以下のようになります。

年金保険金の課税
⇒老後は月26万円が必要!? 年金の不足分をカバーしてくれる年金保険とは


1-4 収入保障保険の死亡保険金

最後は、収入保障保険などで死亡保険金を年金形式で受け取る場合です。このケースの基本的な考え方は、1-1の死亡保険金と1-3の年金保険金を組み合わせた形となります。

●契約者と被保険者が同じ ⇒受け取り開始時は相続税、毎年受け取る年金には所得税(雑所得)
死亡保険金は「みなし相続財産」として扱われますので、初年度の保険金受け取り時は相続税の課税対象となります。ただし、課税の対象になるのは「年金受給権」になります。そして、2年目以降は「年金」と見なして「雑所得」として扱われ、毎年受け取るたびに所得税の課税対象となります。

相続人が受け取るときに非課税枠を適用できるのは、死亡保険金を一括で受け取るケースと同じです。

●契約者と受取人が同じ ⇒所得税(雑所得)
契約者と受取人が同じ場合は「年金受給権」は他の人に移らないため、死亡保険金は年金と見なし「雑所得」として所得税の課税対象となります。1-3の年金保険金のケースと同じです。

●契約者と被保険者と受取人がすべて違う ⇒受け取り開始時は贈与税、毎年受け取る年金には所得税(雑所得)
初年度の保険金受け取り時は「贈与財産」と見なして「年金受給権」に対する贈与税の課税対象となります。2年目以降は「雑所得」として所得税の課税対象となります。

収入保障保険の死亡保険金の課税状況をまとめると、以下のようになります。

収入保障保険の課税
⇒収入保障保険とはどんな保険? メリットやデメリットから、必要性まで徹底解説!

終身死亡保険人気ランキング

2.課税対象となる保険金金額と計算ルールを詳しく解説

前章で、保険金にかかる税金には、相続税、所得税、贈与税があることをご説明するとともに、どういうケースでどの税金がかかるのかを見てきました。

しかし、保険金がいずれかの課税対象になるといっても、条件や金額によって、必ずしも税金が発生するというわけではありません。そこで、ここでは実際に課税対象となる保険金の課税額計算方法を税金ごとに具体例を交えながら解説していきます。

2-1 相続税

相続税は、相続によって財産を取得したときにかかる税金です。死亡保険金は、相続税の対象となる場合は亡くなった方の財産とされ、「みなし相続財産」と言われます。

まず、死亡保険金の受取人が配偶者や子、父母、兄弟などの相続人であった場合は、保険金は残された家族の生活を保障する大切な財産ですので、一定の金額までは課税対象となりません。言い換えると、以下の金額を超える部分だけが相続税の課税対象となります。

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

例)
相続人:妻と子2人(計3人) 夫の死亡保険金:3,000万円
非課税限度額=500万円×3人=1,500万円
みなし相続財産=3,000万円-1,500万円=1,500万円

ここでいう死亡保険金とは「ある個人が契約していた保険の死亡保険金の合計」を指しており、複数の保険から死亡保険金を受け取った場合は、そのすべてを合計する必要があります。一つ一つの保険ごとに非課税限度額が設けられているわけではないので注意が必要です。

なお、相続人以外の人が死亡保険金を受け取る場合には、この非課税の扱いは認められていません。

上記の例を見るかぎりでは1,500万円が相続税の課税対象額となっているので、「う~ん、死亡保険金ってけっこう税金がかかりそうだな」と感じる方も多いと思います。それに、相続時には死亡保険金以外にも何らかの財産があることが通常ですので、課税対象額は1,500万円では済みそうもありません。

でも、ご安心ください。先ほども申し上げたように、相続が発生するということは、それまでに築いた資産を残された家族に引き継ぐ側面がありますので、相続税には死亡保険金にかぎらず課税の対象から除外できる「基礎控除額」が設定されています。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例)
相続人:妻と子2人(計3人) 夫の死亡保険金:3,000万円
みなし相続財産=1,500万円  その他の相続財産:3,500万円
基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円
課税遺産総額=5,000万円-4,800万円=200万円

このように、相続税には比較的大きな基礎控除額が認められています。逆算してみると、相続人が3人のケースでは基礎控除額が4,800万円なので、死亡保険金の課税対象額を含めた相続財産が4,800万円以内であれば相続税は非課税となるわけです。

さらに相続税では、配偶者には強力な課税優遇措置があります。配偶者が実際に受け取る相続財産が、なんと1億6,000万円を超えるまで相続税がかからないのです(1億6,000万円を超える場合は法定相続分相当額まで)。

上記の例でいえば、死亡保険金の課税対象額は1,500万円ですので、配偶者であれば保険金の全額を受け取っても、他に受け取る相続財産が1億4,500万円以内であれば最終的に非課税になるということです。

この優遇措置は、残念ながら世代が変わる子や孫、兄弟姉妹の場合は認められていません。亡くなった方と生活を共にしてきた配偶者ならではの特典と言えるのではないでしょうか。


2-2 所得税

所得税は、なんらかの手段で所得を得たときにかかる税金です。1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得額に対して、その金額に応じた税率を適用して税額を計算します。

所得は10種類に分類されており、そのうち保険金の課税に関係するのは「一時所得」と「雑所得」です。順番に見ていきましょう。

●一時所得
繰り返しになりますが、一時所得とは「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のもので、労働や資産の譲渡(売却)による対価としての性格がない一時的な所得」とされています。

一時所得の金額は、次のように計算します。

一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円

しかし、上の式で求めた一時所得の金額すべてが課税対象になるわけではありません。対象となるのは、一時所得の金額の1/2に相当する金額となっています。これを数式で表すと次のようになります。

課税対象金額=(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円)×1/2

では、上記の式に一時所得としてカウントされる保険金を当てはめた場合はどうなるでしょうか。「総収入額」は「受け取った保険金」に置き換えることができそうです。次に「収入を得るために支出した金額」は、「(保険金を得るために)実際に支払った保険料」だと言えるでしょう。

これらを踏まえるなら、保険金の課税対象額を計算式は、以下のようになります。

保険金の課税対象金額=(受け取った保険金-実際に払った保険料-50万円)×1/2

ここから分かるのは、少なくとも次の3つのケースについては、保険金に対しての所得税がかからないということです。

①受け取った保険金自体が50万円以下
②受け取った保険金よりも支払った保険料が多かった
③受け取った保険金が支払った保険料より多くても、その差額が50万円以内

さらに、上記はあくまで保険金だけで考えた場合の話ですが、所得税には多くの人が対象となる基礎控除が48万円(合計所得金額が2,400万円以下の場合)ありますので、この他の所得がなければ保険金の課税対象金額が48万円以内のケースでは結果的に非課税となります。

これを踏まえると、詳細は下の式で確認頂きたいのですが、受け取った保険金額と保険料の差額が146万円以内なら税金はかからないと言えるでしょう。

保険金の課税対象金額=(受け取った保険金-実際に払った保険料-50万円)×1/2≦48万円
⇒基礎控除が48万円あるので非課税に

受け取った保険金-実際に払った保険料=48万円×2+50万円=146万円
⇒保険金額と保険料の差額が146万円以内なら非課税に

●雑所得
雑所得は「他のどの所得にも分類できない所得」で、公的年金や年金形式で受け取る生命保険金、作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料などがこれにあたります。

雑所得の金額は、次のように計算します。

雑所得の金額=1年間の総収入金額-必要経費

これを保険金にあてはめると、総収入は1年間に受け取った年金、必要経費は支払った保険料になります。

ここで1つ疑問が出てくると思います。所得税は1年ごとに計算されるため、受け取った年金は単純に年間の受取額を合計すればいいのですが、その年分の必要経費としての支払い保険料はどうやって算出するのでしょうか。ここでは受取期間が決まっている確定年金と、亡くなるまで受け取れる終身年金に絞ってご説明します。

必要経費としての1年間の支払い保険料は、以下の式で計算されます。

1年間の支払い保険料=年金金額×(実際に支払った保険料の総額÷年金の総支給見込み額)

いちばん後ろの「年金の総支給見込み額」は、トータルで受け取れる(と想定される)年金保険金額で、確定年金の場合は「年金金額×支給期間」になります。たとえば年金60万円、支給期間10年だったら60×10=600万円です。

終身年金の場合は「年金金額×平均余命*」になります。たとえば年金60万円、女性で60歳受け取り開始だったら、60×23=1,380万円です。

* 所得税法施行令の「余命年数表」で規定されているもので、人口統計等の数値とは異なります。60歳女性は23年とされています。

そして上記の式は、受け取れる年金総額に対する支払い保険料総額の割合を出し、1年間で受け取った年金金額に対する支払い保険料も同じ割合にするということです。つまり、仮に保険料総額が年金総額の80%であったら、1年間の必要経費としての支払い保険料も1年間の受取年金額の80%とする、といった具合です。

例)
年金金額:60万円 支給期間:10年 支払い保険料総額:500万円
支払い保険料=60万円×(500万円÷600万円)=50万円
雑所得の金額=60万円-50万円=10万円

雑所得は一時所得のように50万円の特別控除額や課税対象額を半分にできる特典はありませんが、やはり受け取る保険金よりも支払った保険料が多い場合や、この他の所得がないケースで雑所得の金額が基礎控除の48万円以内の場合は、結果的に非課税となります。

また、雑所得での課税は毎年発生しますが、一時金に比べて1回の保険金額が少ない年金形式で受け取るときに適用されるので、税負担もそれほど大きくならないと思われます。

ただし、所得税がかかるケース=所得があるということですので、翌年には住民税が課されることに留意しておく必要があります。相続税や贈与税がかかるケースでは翌年の住民税はかかりません。


2-3 贈与税

贈与税は、生きている個人から財産をもらったときにかかる税金です。亡くなった方以外かつ自分以外が保険料を負担している場合は保険金も贈与財産とされ、贈与税の対象となります。

贈与税の課税対象金額は、次のように計算します。

課税対象金額=受け取った保険金-基礎控除額110万円

当然のことですが、贈与のケースでは保険金の受取人は保険料を負担していないため、所得税のように支払い保険料のマイナスはありません。しかし、贈与税にも基礎控除額があるので、同じ年に他に贈与を受けていない場合は、保険金が110万円以内であれば非課税となります。

なお、贈与税は「特例贈与財産」「一般贈与財産」で異なった税率が適用されます。

特例贈与財産は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与を対象とし、一般贈与財産よりも軽い特例税率が適用されます。たとえば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などです。

一般贈与財産は、特例贈与財産に該当しない贈与が対象になり、一般税率で計算されます。たとえば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などです。


2-4 保険金を年金として受け取る場合の「年金受給権」について

前章で、契約者以外の人が年金形式で保険金を受け取る場合には、受け取り開始時と2年目以降では別の課税方法が適用されることをご説明しました。具体的には、死亡保険金を年金形式で受け取ったり、年金保険金を契約者以外の人が受け取ったりするケースです。

受け取り開始時には、前者では相続税(被保険者も違う人の場合は贈与税)、後者では贈与税の課税対象になります。そして、2年目以降はすべて所得税(雑所得)が課されます。

このような場合、年金受け取り時に課税の対象となる金額は、保険金総額でも1回目の年金額でもなく、「年金を受け取る権利」=「年金受給権」に対して課税されることになっています。では、この「年金受給権」はどうやって算出されるのでしょうか。

通常、年金保険金は定期的に決まった金額で給付されるものですが、その原資は支払い済みの保険料を保険会社が運用して積み立てているお金です。つまり、年金の支払い期間中に徐々に原資を増やしながら、毎年の年金を支払っているのです。

これを受け取り開始時に一時金で全額受け取った場合を考えます。運用によって年金原資が増えることを想定しないため、一時金は年金で受け取った場合の総額よりも少ない金額になります。将来にわたって受け取れる年金の「現在価値」にあたるとも言えるでしょう。

上記のような考え方に基づき、「年金受給権」の評価額は次のいずれかの多い額とされています。

①解約返戻金の額
②年金に代えて一時金の給付を受けられる場合は一時金の金額
③予定利率等をもとに算出した金額

具体的な金額は、年金のタイプや支給期間などによって変わってきますが、おおよそ受け取れる年金総額の8割~9割程度が多いようです。

それでは、2年目以降の所得税の課税対象額はどうなるのでしょうか。

上で述べたように、受け取りを開始する時点で、すでに年金受給権に対して相続税あるいは贈与税が課されています。そして2年目以降は、年金受給権に相当する金額は所得税の課税対象にならないようにすることで、二重課税を回避する仕組みになっています。

それならば、年金総額と年金受給権評価額の差額、つまり「最初に課税対象にならなかった金額」のすべてに対して所得税が課税されるのでしょうか。たとえば年金総額が1,000万円で年金受給権評価額が850万円だとすると、差額の150万円に対して毎年分割して所得税が課されるというイメージです。

じつはそうではありません。ここからは少々複雑です。まず年金総額と年金受給権評価額の差額は、「課税部分」「非課税部分」に振り分けられます。その振り分け方ですが、受け取り開始時は課税部分は無しで、2年目以降から課税部分が階段状に増加していくようにします。そして、必要経費としての保険料の金額も、この課税部分に対応する形で算出され、その年の雑所得の金額が決まります。

つまり、「最初に課税対象にならなかった金額」のうち課税部分の金額だけが所得税や住民税の課税対象となるのです。

これは、年金として運用される「元本部分」は非課税でいいです、ただし「運用で増えた部分」は「その年に得た所得」にあたるから所得税を課税します、そして2年目以降は徐々に「運用益部分」が多くなっていくから課税対象額も増えていきます、でも必要経費も徐々に多くカウントしていっていいですよ、という考え方だと言えるかもしれません。

この部分についての具体的な計算方法を知りたい方は国税庁のホームページなどをご覧いただきたいのですが、なんとなく「まるまる課税されるわけではないんだ」というふうに理解していただければ大丈夫でしょう。

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3.課税対象にならない保険金や給付金

前章までで保険金に税金がかかるケースをご説明してきました。でも、すべての保険金が課税されるわけではありません。ここでは課税の対象にならない保険金や給付金についてお伝えしておきます。

基本的に、病気やけがを原因とした死亡を伴わない生前給付金に関しては課税されません。代表的な生前給付金としては、入院給付金、手術給付金、通院給付金、がん診断給付金、特定疾病保険金、先進医療給付金、介護保険金などが挙げられます。

これらの保険金や給付金については、受け取りが本人の場合だけではなく、配偶者や直系親族、生計を同じくする親族のときも含めて原則的に非課税になります。医療保険、がん保険、介護保険で受け取れる保険金や給付金には税金はかからないと考えて良いでしょう。

ただし、受取人と被保険者が同じで、かつ被保険者の亡くなった後に給付金の請求が行われた場合、それが相続財産とみなされて課税対象になることもあるので、その点には気をつけましょう。

また、高度障害になってしまったときに受け取れる高度障害保険金は死亡保険金の代わりに受け取るものですが、あくまで病気やけがを原因とした死亡を伴わない生前給付金という位置づけですので、やはり非課税とされています。

ただし、受け取った保険金を治療費や介護費として使いきらない状態で相続が発生すると、残った金額が相続税の対象になってしまいますので注意が必要です。



4.保険契約は保険金を受け取るときの税金も考えた設計を

これまで見てきたように、生命保険の保険金にかかる税金は、保険金の種類や契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって異なります。言い換えれば、保険の設計方法によって税金の負担が変わってくるということです。 下の表は、相続税、所得税、贈与税の税率表です。

税率表
単純に税率だけを見ても、同じ金額であれば相続税がいちばん低く、次に所得税、そして贈与税がもっとも高くなっています。さらに相続税の場合は、保険金の非課税枠や基礎控除額が大きいので、税負担はかなり軽くなります。死亡保険金を一括で受け取ったケースとして、具体的な金額で比べてみましょう。

【前提条件】

夫の死亡保険金:3,000万円
相続人:妻と子2人(計3人)
支払い保険料総額:300万円
※死亡保険金以外に相続財産、他の所得、贈与財産は無いものとします。

●相続税
非課税限度額=500万円×3人=1,500万円
みなし相続財産=3,000万円-1,500万円=1,500万円
基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円
課税遺産総額=1,500万円-4,800万円=△3,300万円
相続税額=0円(非課税)
実質受取額:3,000万円

●所得税(一時所得)
一時所得の金額=3,000万円-300万円-50万円=2,650万円
課税対象額=2,650万円×1/2-48万円(基礎控除)=1,277万円
所得税額=1,277万円×33%-153.6万円=267.81万円
実質受取額:約2,732万円

●贈与税(特例贈与)
課税対象額=3,000万円-110万円=2,890万円
贈与税額=2,890万円×45%-265万円=1,035.5万円
実質受取額:約1,965万円

相続税は非課税になるのに対し、所得税では1割弱が、贈与税では3分の1以上が税金として差し引かれます。いかに相続税が軽く、そして贈与税が重くなっているのか良くお分かりいただけると思います。

ただし前述したように、所得税がかかるケースでは翌年に住民税が課されます。それでも、住民税は所得額の10%+一定額(均等割5,000円)ですので、通常は贈与税に比べて税負担は軽くなることが多いと言えそうです。

そして、保険金額を変えて同じ条件で計算してみると、課税対象額が多いほど税率が高くなる累進課税の影響がハッキリと出てきます。 保険金課税比較
このように見ていくと、死亡保険金の場合は契約者と被保険者を同じ人に、相続人を受取人にしておくのが税法上は有利になることが多いと考えられます。被保険者が保険料を負担しにくいときは、契約者と受取人を同じ人にすれば所得税扱いとなり、贈与税課税を避けることができます。

また、満期保険金や年金保険金の場合も、契約者自身を受取人とすれば所得税が適用されるので、一般的に税金負担が軽くなるケースが多いと言えるでしょう。

死亡保険や個人年金保険、養老保険、収入保障保険などへの加入を検討されている方は、保障内容に加えて、保険金を受け取るときの税金についても注意を払いながら保険の設計を進めていくと良いでしょう。



まとめ:保険金にかかる税金は複雑! 分からないことは専門家に相談を


ここでは保険金や給付金にかかる税金について見ていきました。もちろん保険を考える上では、保障内容や保険料も重要ですが、お金を受け取るときに関わってくる税金についても疎かにはできませんね。

「保障や保険料だけじゃなくて税金についても考えなきゃいけないのは大変だな…」と思われた方は、一度プロの話を聞いてみるのも良いかもしれません。保険の設計で迷っている方は、受け取り時の課税シミュレーションをお願いしてみるのもいいでしょう。

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